た　　び でも釣りはなし

　途中で休憩や昼食をしながら、今夜の宿を目指す。カーナビに全幅の信頼を寄せ、指示通りに田舎の道を気持ちよく走る。高山村から中之条、吾妻渓谷から長野原、そして草津へ入った。
　草津に来るのは記憶にあるだけで３回目、お湯が熱いというのが草津の印象だ。今回のホテルは新しいし、少し高級だから期待が高まる。
　駐車場に車を入れると、すぐに係員さんが荷物を持ちに来てくれた。態度も言葉遣いも、感じがいい。チェックインの手続きも、丁寧に対応してくれたのだが、その時に突然スマホが鳴った。ここから、今回の旅行が大きく影響を受ける事態が発生したのだ。
　

2022年９月13日（２日目）
　朝早く起きて温泉に行くのが旅の日課なのだが、なぜか起きる気がしない。温泉には昨晩一度だけ入っただけだが、もういいやって感じ。
　朝食もバイキング、どこの伊東園も似たようなものだが、普通のものばかり。旅館だからと言って、贅沢なものは出ない。
　売店でお土産を買う。もちろん、もらったクーポン券を活用した。まさか割引があるとは期待していなかったから、よけいにうれしく感じた。もう来ることもないだろうと思うと、嫌なことも許せるような心境になった。

　今日の宿は、共立リゾートの「ラビスタ草津ヒルズ」。同じ草津にある「季の庭」というホテルに泊まった時の経験が忘れられなくて、その後、共立系のホテルにハマってしまったのだが、草津では３軒目の共立のホテルとなる。
　共立に共通しているのは、スタッフの対応の良さ。飲み物や軽食のサービス、充実した料理、ほどほどの料金、など。
　ここでも、風呂上がりのアイスやビール、夜食の夜泣きラーメンなどを楽しんだ。
　部屋には24時間入れる温泉露天風呂があり、館内には貸切温泉も4カ所あって空いていれば予約なしで利用できる。このホテルにいると、ゆっくりする時間がない感じで忙しい。
　さて、夕食だが、レストランに行くと奥の方へ案内されて、さらに奥に一つだけある個室へ連れて行かれた。大きな窓の外には、滝が流れている。株主プランで来たから、扱いがいいのかなと女房と話す。
　料理は旬の食材を使ったフランス料理、自然と酒が進んでしまう。株主で安く泊まっている上に、こちらも愛郷ぐんまのプランが使えて、さらに安くなっているのに、株主様と偉そうにしていていいのだろうか。
　ハプニングもあったが、共立のお陰で、最高の夜を過ごさせていただいた。

　チェックアウトして、道を山の奥の方に入って行く。しばらく行くと、谷川岳ロープウェイのベースプラザに着く。ビルの5階までが駐車場になっていて、６階に切符売り場、７階が乗り場となっている。
　JAFの割引で１００円を引いてもらって、往復で乗車券を買う。ゴンドラには２組４人で乗った。スピードが思ったより遅くて、到着まで１０分程かかったお陰で周辺の景色を楽しめた。天神平駅に下りると、すぐにリフト乗り場がある。さらに料金を払って、上にある天神垰の展望台を目指す。天気が良くて、空が青いなーと言いたくなる。
　天神垰では谷川岳が真正面に見える展望台があり、周辺の山々を含めて、にわか登山家の気分が味わえる。
　風が気持ち良かった。

３日目へ

　電話は、小田原の証券会社からだった。ホテルの受付は女房に任せて、ロビーの隅で話を聞く。簡単に言えば、新規上場株を希望するなら回せるという話だった。証券会社には機会あるごとに条件のいい新規上場株を回してくれと頼んではいたが、それが今とはタイミング悪すぎ。明日までに600株分で不足額90万円を入金するのが条件だが、ホテルの部屋に入ってからスマホでネット送金をしようとして行き詰った。銀行の２重のセキュリティのうち、家に置いてあるカードの番号が分からないのだ。女房とも相談して、いい話だが今回は遠慮すると電話したが、コンビニ銀行で現金を引き出して送金できるとアドバイスをもらった。それからは湯畑まで行って、コンビニのATMで９０万円を下し、振り込もうとするができない。後で分かったのだが、コンビニから現金での振り込みはできないらしい。もう３時を過ぎていたので、明日の朝、銀行を探すことにした。草津まで来て、何やってんだろう。