伊豆縦貫道を下り、「道の駅伊豆月ヶ瀬」で休憩。ここも混んでいる。みんな、行く所ないのかよ、、、お前もな。と一人突っ込みをしたくなる気分だ。
西伊豆に向かい、土肥に出る。少し走って、「恋人岬」へ。今回で３回目になるが、１回目は歩道の工事中。暑い中に行った２回目は、最後の階段を見てギブアップ。今日こそ最後の展望デッキまで行くつもりだ。最近始めた散歩の効果なのか、ワークマンの軽いシューズのお陰なのか、３度目の正直なのか、苦も無くデッキまで歩けた。
風が強かったが、青空の下の雪をかぶった富士山は、中国人じゃなくても感動した。新しい恋人ができない限り、もう来ることもないだろう。
今年も女房の誕生日が近づいてきた。うっかり忘れたりしないように、我が家では記念日プランの旅に出るのが恒例となっている。コロナの新株が猛威を振るう前の「今のうち」に、今年最後の旅に出ることにした。
まずは東名で沼津へ向かう。走り始めてすぐに感じたのが、平日の昼間だと言うのにやけに混んでいるということ。「今のうち」と考えるのは、我が家だけでは無いようだ。
沼津ICを出て、いつもの三島の「うな繁」を目指す。本当は、この前に下見をしてきた沼津港で寿司でもと考えていたのだが、夜泊るのが魚料理自慢の宿だったので、いつものウナギに切り替えた。
店の駐車場は既にいっぱいで、やっと止めるような状態。この店には１０回ほど来ているが、席は初めて２階へ通された。やっぱり、みんな出かけたくて仕方がなかったのだろう。我慢のできない人たちだ、我が家もだけど。
ウナギの何とも言えない味、伊豆旅行が始まったという実感。今回は北から中伊豆を下り、西伊豆へ出て、海岸線を南伊豆へ。翌日は東伊豆を北上するという、伊豆半島を満喫するドライブ旅。天気だけが心配だが、厚いダウンと雨具を積み込んで、準備はできている。
西伊豆を南下する。海岸沿いのドライブは、快適だ。黄金崎、堂ヶ島、松崎、雲見、石部、波勝崎など何度か訪れた場所を通り過ぎて行く。カーナビで宿への到着予定時間を確認すると、午後4時に近い。案外、時間がかかるものだと驚く。本来なら、途中の吉田白鳥神社を観光する予定だったが、次の機会にすることにした。
今日の宿は、下賀茂温泉にある[宿彩「湯食笑門」の宿 石廊館]。名前の意味は良く分からないが、料理の充実した宿だと記憶している。今回で２回目の宿泊となる、偉そうに言えばリピーターなのだ。
宿には３時半過ぎに到着、ほとんど運転しっぱなしだったが、疲れは全く感じなかった。
宿は昭和の香りがする建物で、塩分の強い温泉が自慢だ。部屋は和室が二間と小さな茶室がついている。さらに内風呂には温泉がかけ流しで入っていて、いつでも入浴ができる。ちょっと贅沢だったかな。
Wi-Fiが使えると言うがパスワードが案内されていないので、フロントに電話。すぐにお持ちしますと一旦切れたが、すぐに電話があり「その部屋は電波が届かないから使えない」とのこと。でも、ちゃんとルーターが表示されているというと、部屋まで来てくれた。ところが、その電波は近所のものらしい。いい部屋なのに、残念。
冷蔵庫を見ていた女房が、「コーヒー買ってきたの？」と聞く。「は？」。冷蔵庫に口の開いた牛乳パックとコーヒーのボトルが入っている。宿のサービスには見えないから、前の客の忘れ物だろう。清掃の時にチェックしないのだろうか。旅館への不信感が増す。
気分を直し、部屋の風呂に浸かる。塩分のせいか、体の芯から温まる感じ。体の皮膚疾患も治りそうだ。
午後６時、夕食会場へ。大広間を衝立で仕切って、他の客とは顔を合わせないようになっている。
アワビの踊り焼きから始まって、海の幸を中心に美味しい料理が次々と運ばれてくる。そして今日のメインの、フグ鍋だ。フグの他に野菜と板状の餅がきた。給仕の人が「餅は火が通り過ぎると硬くなってしまうので、柔らかくなったらふぐ食べてください」と言う。人の間違いが聞き流せない性格なので、「ふぐ食べる？」と突っ込む。
さあ、食べようとすると女房が、「どれがフグなの？」ととぼけたことを言う。見ると、女房の皿にはフグが乗っていない。もう食べたんじゃないですか？と言われてもいけないので、給仕の後をふぐ追いかけた。
温泉は温まっていいし、料理だってなかなか美味しい。ただ、サービス精神というか、旅館と言うのはこういうもんだ感が強すぎて、昭和の古き良き旅館のまま止まっている感じがする。昭和の頃を知っている高齢の人達には満足してもらえるが、サービスの行き届いた最近の宿を利用した人からは、不満が多いだろう。このままなら、先細りしていくのは目に見えている。年寄りは、いずれ来なくなるわけで。残念だけど。
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