今回のプランは「厳選いい宿スペシャルプラン」で、”全室海側に面し、眺望抜群！ ご夕食には、活アワビの踊り焼きや地魚などの新鮮魚介を堪能”との謳い文句だ。北川温泉名所「黒根岩風呂」入浴無料なのだが、海が荒れていて入る勇気はない。
部屋の風呂にも温泉が引かれていると書いてあったので、早速お湯を溜めてみた。結構時間が経ったので見に行ってみると、まだ半分も溜まっていない。もう20分後に行っても、ほとんど変わらない。どうやら湯の栓が馬鹿になっていて、漏れてしまうらしい。せっかくの温泉が、もったいないな。
大浴場のシャワーも温泉らしいのだが、水量がチョロチョロで役に立たない。隣の物を試してみても、同じ。施設が古いから仕方がないけど、これほどひどい所は珍しい。
お楽しみの夕食は、食事処で。アワビは生きのいいものだったし、サザエを始め刺身類も新鮮だったが、残念ながら食事のランクは並だった。
夜の間じゅう、風と波の音は続いた。自宅の雪は大丈夫か心配だったが、夕飯に飲んだ日本酒のせいですぐに眠くなった。
いつからだろうか、毎月２泊３日程度の旅行に行くようになった。考えてみれば、随分と贅沢な生活をしているとも思えるが、残された人生で体が思うように動くのは、そんなに長くはないという気もするので、お金が続くうちはいいのかな。子供達に残す財産はないけど、当てにされても困るし。
我が家が旅行というと、何か悪いことが起きそうで嫌なのだが、今回も大雪が大当たりとなってしまった。過去には、伊豆の大雪でキャンセルしたこともあるが、今回は万全を期して伊豆スカイラインは通らずに海沿いを、スタッドレスを履いている女房の車で走ることにした。
伊東の道の駅でトイレ休憩をしたときには、既に雨はみぞれっぽくなってきて、気温もグッと下がってきた。とりあえず伊豆高原まで行って、昼食を食べながら、午後の行動を考えることにした。
伊豆高原ビールの本店の食堂は2階にある。前から食べたかった「漁師の漬け丼膳」を注文、まさにインスタ映えする円錐形の丼が出て来た時の女房の表情は、闘志に火が点いたようだった。ギャル曽根に対抗意識を持たなくても、いいのに。
食べ始めは薄味の漬けに戸惑い、醤油にワサビで食べたが、女房が言うには「しっかり味が付いている」とか。半分ほど食べたときに、何だか味が同じで飽きて来た。食材が分かれていれば、それぞれの味を比べて食べられるのだが、マグロ、アジ、イカなどが混ぜてあるので味は皆同じなのだ。3分の2食べるのがやっとだったが、女房もさすがに少し残していた。
窓の外の雪は本格的になり、風も出てきて横殴りに吹き付けて来た。積もりそうなので、他に寄らずに旅館まで行くことにした。
宿に着いたのは、午後1時過ぎ。チェックインの3時には時間があるが、天気が悪いのでロビーで待たせてもらうことにした。
予定なら伊豆高原のいくつかの施設を見るつもりだったが、寒さと雪で中止にしたのだ。外の海は荒れてきて、さらに風が強くなってきたようだ。
1時間ほどすると、部屋の用意ができたからと呼びに来てくれた。先に自分たちの部屋を準備してくれたのだろう、ホテルのご配慮に感謝。だけど、温泉は3時からだと釘を刺された。
今日の宿は、北川温泉の海辺に立つ「月と太陽の宿 北川温泉ホテル」。オーシャンビューと屋上の「空中湯園」が売りだ。