部屋はオーソドックスな和室、窓の外には早川渓谷に覆いかぶさるように、山の緑があふれている。都会から来た人は、すごい緑と感動するところだが、山に住んでいる者としては、箱根も山だなと思うだけだ。
夕食までに時間があるので、早速、温泉に入ることにした。風呂は、男湯、女湯、家族風呂とあるのだが、男湯に入ってみた。時間的に早いのか、誰もいなかった。湯温は熱すぎず冷たすぎず、本当に適温だった。大涌谷の影響は、大平台にはないようだ。
そのまま部屋に戻って、ベッドの上でゴロゴロしていたら、疲れが出たのか知らない間に寝てしまった。旅館に来てから、小さい揺れを感じることが何度かあったが、すぐ寝られるということは、それほど神経質ではないようだ。
目が覚めたのは２時ごろ、４時前に温泉に入って、また寝てしまった。
６時、食堂に下りて行く。食事は少しグレードアップしたものを頼んでおいたが、どれが標準と違うのかは分からなかった。冷酒を２人で１本という、いつものペース。料理は、おいしいものを少しずつという感じだが、健啖家の二人には、ちと少なすぎた。旅行に行くと夕食後は、いつも胃薬の世話になる私も、まだまだカモンという感じ。約５０分で、デザートまで終了。
平日ということもあって、箱根への道路は順調に流れていた。いつもは混む湯本駅周辺もスイスイで、箱根駅伝のコース通りに車を走らせる。左右に曲がりながら高度をかせいでいくドライブは、新緑の中、快適そのものだ。
４時４０分、本日の宿、大平台にある「箱根対岳荘」に到着。駐車場もゆったりとってあり、落ち着いた佇まいだ。車を降りると、鼻をつく硫黄の臭い。温泉にやってきたことを、実感させる。