箱根から下田へ

　早速、温泉に行ってみる。こちらも広くて清潔。１か所しかないが、貸切にできる。湯は硫黄の匂いが強い、わずかに白く濁った温泉。温度も、ちょうどいい。
　６時の夕食まで、テレビを見ながらゆったり過ごした。こういう時間が、旅のいいところだ。

　釣りのシーズン最後の３連休だが、９月の大きな仕事の山が終わった解放感の方が強くて、温泉ドライブ旅を計画。だが、始めからケチがついた。行楽シーズンの３連休、それも一週間前に旅館を見つけるという厳しい条件の中で、何とか見つけた強羅の旅館。土曜日は普段より高いから、お値段は１泊２食付きで13,900円也。これが高いと、女房からのご意見。せっかく見つけたのに、そりゃないべ、これより安い宿なんか、見つかるわけないし。それじゃ、旅行は中止だ。
　一旦はそう決まったのだが、往生際の悪いのが私の長所。さらに探してみたが、結局、箱根ではその旅館しかない。もう一度提案すると、今度は何にも文句を言わなかった。
　女房の職場まで迎えに行って、そこから旅館へ。完全１日３組限定の宿‥贅沢三昧★【癒しの通常プラン】／2階寛ぎのお任せ和室。旅館の名前は、いろいろ差しさわりがあるのでＫとしておきます。

　いよいよ夕食、食事処は２か所。厨房のすぐ横のテーブルに案内された。すでに並んでいる前菜を見て、唖然とした。刺身はちょこっと、細い生姜、キャベツがそのまま、、、。確かに、ＨＰに書いてあることに偽りはないのだが。
・前菜・・・上記の通り
・酢の物・・・むせるくらい酢が効いている
・煮物・・・いも、かぼちゃ、レンコン
・サーロインステーキ・・・小さいサイコロが少し
・鍋物(箱根豚のしゃぶしゃぶ)・・・豚肉と白菜のみ
・天ぷら・・・ニンジン、サツマイモなど
・焼物・・・焼きナス
・御飯・・・サケの釜飯
・デザート・・・アイスクリームそのまんま
　家庭的というか、家庭料理レベルだな。

　さらに悪いのが、厨房からの話し声。どうやら板前が女性を叱っているようなのだが、「何度言ってたら分かる」「ハイじゃねえよ」「適当なんだから、、、」。一生懸命働いているのに、年とった女性が叱られるのを聞いて、哀れで食事の気分は台無し。あんな年になるまで、頭ごなしに叱られながら仕事をしなくてはならない女性の薄幸の人生を考えると、気の毒でならなかった。
　朝食も、似たような感じ。アジの干物は、それなりにおいしかったが。この宿は、いつまでやっていけるのか。女房の言った通り、こんな宿に13,900円は、確かにもったいなかった。あなたが、正解です。

　強羅の閑静な山の中にある旅館、カーナビでは見つけられず、勘を頼りに探す。でもすぐに見つかった。車が付くと、係の方が出てきてくれ車を入れ直してくれる。とても感じがいい。
　対応してくれた女性は、年齢はたぶん７０代だろうか、前歯の何本かは抜けてしまい、接客には向いていない感じ。声もやけに低い。説明を受けると、まずは前金払い。こういう宿は、初めてだ。
　部屋は広くて、快適。居間と寝室、という感じ。掃除も行き届いて、気持ちがいい。トイレは部屋にないのだが、すぐ近くに部屋専用のトイレがある。
　