そしていよいよ、宿泊先のペンションへ。名前は「アルペングロー」。ご夫婦が、優しく迎えてくれる。館内には、至る所に絵画が飾られている。ご主人の趣味らしいが、どれも素晴らしい。案内された部屋は、2階の一室。部屋に入るなり、驚くことがいくつか。風呂とトイレがないのは分かっていたが、さらにテレビもねぇ、お湯もねぇ、タオルもねぇ、ティッシュもねぇ、歯ブラシねぇ、着替えもねぇ。洗面も共同だなんて、合宿みたいだねと女房が笑った。
早速、風呂へ。何だか能書きが書いてあるが、要するに温泉なのかどうかは分からなかった。一人入ればいっぱいの湯船、冷めきった夫婦には、まあ十分だけど。
さて、いよいよ楽しみな夕食。ブリオッシュというシチューをパン生地で蓋してあるような料理。これは、評判通りうまかった。チビイワナの塩焼き、ラムチョップの香草焼きなどが続き、おいしかった。
部屋に戻って、パソコンがネットにつながるので、持って行ったパソコンで女房はネットで遊ぶ。部屋は床暖房になっていて、快適。私はやることもなく、8時には寝てしまった。静かな、夜だった。
須走から高速に乗る。大月が近づくにつれ、周りの山々の紅葉が燃え立つようになる。小さな山全体が、紅葉している。素晴らしい、としか言いようがない。この時期に出かけたことがなかったので、こんなにキレイになっているのを知らなかった。
甲府を抜け、八ヶ岳が近づくと、両側に紅葉の山が続く。地元の紅葉しか知らなかったので、スケールが違うことに驚嘆する。
長坂インターを降りて、昼食にほうとうを食べようと、カーナビを頼りに店に向かう。ナビ君は「到着した」というが、駐車場しか見つからない。周りを歩いて探したが、ダメ。諦めて、他の場所に移動しようとした途中で、女房がビルの１階に見つけた。
次に、清春芸術村に寄ってみた。1000円で、白樺美術館と光の美術館が見られるとのことで、何だかわからないがそれにした。美術館には、ルオーや白樺派の人たちのコレクションが展示されている。どこが素晴らしいのかは分からないが、一応、分かったような顔をして見て回った。もう少しゆっくりしたかったが、雨脚が強くなってきたので車に戻った。
チェックインには時間があるので、近くのシャトレーゼ白州工場で、時間をつぶすことにした。守衛さんに予約時間を聞かれ、完全予約制だということに気が付いた。ダメならいいと思ったが、3時半なら空きがあるとのこと、1時間以上あるから一旦ペンションに行ってから、再度来ることにした。
ガイドブックに載っていた店で、長坂駅前にある「魚光会館」。ほうとうの他、寿司やそば、丼など何でもできる。せっかくだからと、少し高いが「勘助ほうとう」1300円を注文。だが、なかなか出てこない。どうやら、ほうとうを打っているようだ。
待っている間に、女房がメニューを見ていて気が付いた。松寿司より竹寿司の方が、高いという。普通は、松が一番高いんじゃないの？そういえば、そうだ。念のため、梅寿司を見ると、さらに高い。山梨では、捉え方が違うのかもしれない。
出てきたほうとうは、すごいボリューム。これで一人分？と聞いてしまうほど。味もいいし、この店が見つかってほうとうによかった。
カーナビを頼りに、細い道を入って行く。近くで農地整備の工事をやっていて、看板が撤去されたらしく、確かに分かりにくい。だが、長年の勘を生かし、エイヤと曲がったら正解だった。まだ部屋の準備ができていなとのことで、荷物だけ預けて、シャトレーゼを目指す。とりあえず、明るい内に場所を確認したかったのだ。もうこれで、大丈夫。たぶん、暗くなったら、見つけられなかったかも。
シャトレーゼではワインでも作っているのかと思っていたが、お菓子だった。そういえば、家の近所にもそんな店があったっけ。子供たちの参加が目立つのは、最後の試食で納得できた。何とアイスの食べ放題。と言っても、お腹を壊すといけないので、私は１つだけにしたが。