ぶらっと伊豆へ

　９月は、仕事の大きな山が来る時期。その中でも峠といえるのが、１２、１３日。何とか越せた満足感と解放感、せっかくの３連休だから、１泊で出かけることにした。金曜日の夜にネットで予約、ギリギリに頼めば割引も大きくなるという寸法だ。箱根でも良かったのだが、少し足を延ばして伊豆に行くことにした。”伊豆”という響きを聞くと、”Is it a bed?”というフレーズが頭に浮かぶ。３０年以上も前、中学の英語の先生の口癖だ。体を壊したとのうわさを最近聞いたが、お元気だろうか。
　午前中は仕事に行って、家を午後２時に出発。女房も仕事だったので、小田原駅で拾っていく。少し箱根に向かい、箱根板橋からターンパイクに入る。今回の旅の狙いは、ドライブと温泉と海の幸。まずは車で、腹の空く、じゃなくて胸の空くようなドライブだ。今年買った女房用の車は、まだ走行距離が２５００キロほど。１２００ｃｃだけど、ターボが効いて加速が心地いい。ターンパイクの急坂を、アクセルを抑え気味にしてもグングン登って行く。
　私の若い頃は、まだターボが出始めた時期だった。それまで乗っていたセリカ２０００ＧＴを、スカイライン２０００ＧＴターボに替えて、初めて乗ったターボの加速感は忘れられない。アクセルを踏んで、少ししてからヒューンという金属音とともに効いてくる爆発的な加速。病み付きに、なっちゃうよ。

　ターンパイクから県道２０号を通って、十国峠で休憩。その先、熱海峠から伊豆スカイラインに入る。終点の天城峠まで、快適なドライブ。ここからは新しい道に、カーナビも少し手こずったが、何とか目的地の城ヶ崎イサナリゾートに４時２０分に到着。２時間ちょっとで、伊豆に行ける幸せ。
　建物は、なかなか洒落た感じ。内装は白で統一され、壁には貝殻の装飾、多くの絵画が飾ってある。リゾート感はあるのだが、通された部屋にビックリ。板の間にベッドが２つ、あとはテレビと四角いテーブル。冷蔵庫も、内線電話も、風呂もない。トイレと洗面とベッドだけ、シンプルでいいと思わなきゃ。

すぐ前が海だから、２人で降りて行った。１組の家族連れが遊んでいるだけで、静かだ。砂浜ではないので、人も来ないのだろう。ホテルに戻り、夕食前に温泉へ。露天風呂がある部屋が多いそうで、そのためか風呂は空いていた。というか、独占状態。表面が高温なので、かき回してから入るように注意書きがあった。いい湯、だった。

　１点だけ、困ったこと。ここの蚊は、黒々して大きいということ。あんなのに刺されたら、かゆいと言うより、痛いんじゃないかな。動きが鈍いので、何匹も始末したけど、幸い一度も刺されなかった。

　ドライブ、温泉と目的を順調にクリアし、残るは海の幸である。というか、我が家の場合、これが本命だけど。併設されているレストラン「ChinaBoat」という海鮮料理の店。ピータンなどの前菜から始まって、アジの刺身。食べようと思ったら、ボーイさんが来て、出す物を間違えたとか。差し替えられたのは、タイ、トビウオ、アワビなどの刺身。どうやら料理がいいプランを、申し込んだようだ。サラダ、ホッキ貝の次にエビの料理。これを平らげたとき、またボーイさんが来て、出すものを間違えたとか。それは一般用で、我が家には伊勢海老３匹の方だった。もちろん、こちらも食べた。次は、アワビの陶板焼き、牛肉の陶板焼き、タイの焼き物。ここで、もう満腹。これ以上は、危険だ。さらに小籠包、スープ、デザートときてやっと終了。夕飯は、ほとんど茶碗半分しか食べない私には、きつかった。さすがの女房も、私の分まで食べていたし、他の客のエビまで食べたので、完食はできなかった。
　部屋に戻って、まずは太田胃酸を飲んだ。地ビールも効いたのか、すぐに心地よい眠りに落ちた。
　　　　　　　　　　　